「リフォーム」「リノベーション」との違いは?

「リフォーム」「リノベーション」との違いは?
リノベーション

「リフォーム」「リノベーション」と聞いて、二つの違いを説明できる人は
いらっしゃいますか?
どちらも”古くなった住まいに手を加えること”ですが、この二つの言葉の違いはどこにあるのでしょうか。
二つの”言葉の成り立ち”を出発点にそれぞれの違いをひも解いていきます。

※ちなみに冒頭の写真は、リフォーム工事、リノベーション工事どちらですか? 答えは記事の最後で

明確な定義のない、リフォーム・リノベーション

「リフォーム」「リノベーション」との違いは?
最初にお伝えしておきたいのが、実はリフォーム・リノベーションともに国で
定められた明確な定義はない、ということ。
メディアやリフォーム会社・リノベーション会社が、それぞれの解釈で使い分けているのが現状です。
どちらの言葉で表現しても間違いではないのですが、住まいに手を加える時の
意図や目的で使い分けられてます。

主要なリノベーション関連企業が加盟している
「一般社団法人 リノベーション住宅推進協議会」では、
以下のように定義・分類されています。


リフォーム
原状回復のための修繕・営繕、不具合箇所への部分的な対処。

リノベーション
機能、価値の再生のための改修、その家での暮らし全体に対処した、
包括的な改修。



少し分かりにくいので、リフォームとリノベーション、それぞれの言葉の
“成り立ち”に着目しながら、身近な表現でより深く、違いを検証してみる
ことにしましょう。
 

リフォームは「元に戻す」、リノベーションは「作り変える」。

「リフォーム」「リノベーション」との違いは?

リフォームという言葉を分解すると「Re + Form」。「形を元に戻す」という
意味になります。
一方、リノベーションは「Re + Innovation」。 Innovationを和訳すると、
「革新」「刷新」「一新」といった意味です。
この言葉の意味を建築に当てはめて考えると、次のように解釈できます。


リフォーム
古くなった住まいを、新築当時の状態に戻すこと。

リノベーション
古くなった住まいを、いちから創り直して価値を高めること。



マイナスの状態だった古い住まいを“ゼロ”に戻すのがリフォームだとすると、
リノベーションは機能性やデザインといったさまざま側面において、“プラスα”で価値を高めること。

例えば築30年のマンションに手を加える際に、キッチン、トイレなど水回りの
古い設備や、汚れた壁紙などを取り替えて改修することは「リフォーム」に
分類されるでしょう。

一方、「リノベーション」は、さらに根本から住まいのプランを刷新します。

築30年の古いマンションは、ファミリーを想定した画一的な間取り。個室が
細かく区切られて、客間を想定した和室が陽当たりのよい場所に配置
されたりと、いまの時代のライフスタイルに合わない部分が多くあります。
また住む人によって「心地いい間取りやデザイン」もそれぞれ異なります。

古い住まいをキレイにするというだけでなく、いまそこに住む人の暮らしに
あわせた形へと一から創りかえることがリノベーションというわけです。

……さて、冒頭の写真ですが、こちらは築40年のマンションの
「リノベーション工事」の様子です。
このようにお部屋を一度スケルトン(建物の構造そのものの状態)にした上で、新たなお部屋へと作り変えられるのは、リノベーションならではの醍醐味です。

施工事例